ACV・WIG国際会議事情


村尾麟一

 ACV・WIGの分野の研究最新情報を得るためには、国内学会誌・学会講演集だ けでなく広く国際会議の事情をサーベイする必要がある。私が検知した最近の 国際会議の情報をご参考に供したい。
話題を95年以降に限定する。網羅しているとは限らないことをお断りしておき たい。

個人的見解に基づいて上記の会議の性格を展望してみたい。
  FAST(Fast Sea Transportation) Conferenceは造船海運関係の(主として 北欧・ドイツ・日本・オーストラリア)グループによって開催地回り持ちで隔年に 開催されている。第1回は1991Trontheim,第2回は1993横浜であった。ACV・ SES・WIGのセッションがあるがTPOによって重点が変わり、1995ドイツではテク ノスーパーライナー・SES・Waterjet等が活発であった。1997オーストラリアで は滑走艇・双胴船に重点があり、 L歟eck でもSydney でもWIGはマイナーセッシ ョンの印象であった。
Proceedingsは充実しており日本からの参加者は船舶関係者を中心に常に2桁で参 加国中の上位を占める。1995FASTについては“ACVの研究”Vol.27,1996に報 告記事がある。
  1995RostockはFASTヤ95参加のWIG関係者を中心とする非公式Meetingであ りドイツ・日本・ロシアからの参加があった。ドイツのWIG事情について情報があ り、“ACVの研究”Vol.27,1996に報告記事がある。
  1996Kazanは国際と名乗っているものの内容は国内会議であって、ロシアでよ くあるように外国人以外は全てロシア語の発表であった。日本から村尾・富田の2人 が参加した。“ACVの研究”Vol.28,1997に報告記事がある。
  1996SydneyのWIGワークショップは英語による始めてのWIG単独の国際会議で あって、それまでの数回に亙るロシアでの会議と比較してスピーディなコミュニケショ ンが得られたであろう。日本から久保が参加して“ACVの研究”Vol.28,1997に報告 記事がある。
  1997LondonはRINAの主催でACVに1日、WIGに2日間を充てた本格的国際会議 であった。英国はホーバークラフト発祥の地であるが、ドーバー海峡での商業運行の低 迷のためか、ACVをテーマとする会議は最近低調であった。WIGに関しては殆ど英国独 自の開発を聞いたことがなかったから、今回ACVよりむしろWIGに重点をおいた企画が 行われたことは意外の感があった。しかし学会の権威と地理的条件のためか、外国から の一流の発表が集まることによって質量ともに最も充実した内容であったことは印象深 い。Proceedingsは充実しており、日本からACVに村尾が、WIGに村尾と安東が参加し た。
  1998Shanghaiのショーは中国向けの高速フェリー・漁船・港湾舟艇・救難艇・船 用品等の売り込みを目的としたショーであって、参加者の情報がないので詳しい内容は 不明であるが、学術的なねらいではなく見本市的性格のものと想像される。企画は英国 の商社のように思われる。
  1998CACTSはCanadian Aeronautical & Space Institute(CASI)の一部門であ るカナダエアクション技術協会の主催によるもので、論文募集の段階ではACVだけでな くWIG部門も含まれている。 CACTSの会議は英国のスローダウンの向こうを張って80 年代なかなか活発であったが、最近話題に乏しいためか会議の企画が途絶えていた。久々 の登板である。カナダのエアクション技術はCoast GuardによるAP1.88の運用経験とア メリカのLCAC等ACVの運行が中心話題であり、研究開発関係の話題は比較的少ないよう である。ともかくACVに関しては孤軍奮闘している。情報はインターネット http//www.casi@casi. caで得られる。
  1998Sydneyに関しては1996のワークショップ及びFAST 97同様New South Wales 大で開催される。内容はRINAと時期的に近いためやや重複が感じられるが、 WIGに関する会議が急激に活発になってきたこと、オーストラリア自身の開発要素は規 模が小さいにもかかわらずこの分野で異常に積極的なことに興味をひかれる。ロシアの 発表が含まれている。

インターネット http//www. sbimare@msn.com

  1998GelendzhikはInternational Exhibition of Seaborne Aviation と銘打っ たロシア黒海沿岸都市での会議である。例によってロシアの国際会議企画は情報が少な くて内容の予想が困難であるが、水上機のExhibitionを中心とする見本市に会議を敷設 するねらいのようである。WIGの話題が出るかどうかは不明であるが水上機中心の会議 は珍しい。情報はFAX:(+7)-095-263-42-85, SSRC TsAGI   1999FASTヤ99の具体的企画は不明、Call for paperもこれからであろう。

 以上最近ACV・WIG分野の国際会議は活性化しているようである。内容レベルは様々で あるので吟味の必要がある。 ACV・WIG国際会議の特徴として、開発・運航の話題が多く、コンサルタントの技術売 り込みに特徴がある。商品売り込みを意識したExhibitionに重点が置かれていることも ある。アカデミックな研究発表はその中に混在していることが多いので、国際的に認知 されている人脈に日頃から注意を払っておく必要がある。


ACV研究会のホームページへ戻る。